絵本の違いについて
そこで、各発行体の財務内容を調べ、その健全性に応じて「格付け」をするのが、S&Pやムーディーズは、発行体が格付け機関に依頼する。
「格付け」がなければ、判断の目安がないので、投資家は債券を買ってくれない。
企業によっては、投資できる格付けが決められている。
だから、発行体は「格付け」を取らないわけにはいかない。
格付け機関に「格付け」を依頼するには多額のお金を支払わなければならない。
これは、発行体の必要経費である。
格付けの格には、多くの種類があるが、最上級が「AAA」(これはS&Pの呼び方。ムーディーズはAaa)である。
これは「トリプルA」と呼ばれる。
一般に「投資適格」とされるのは、「BBB」(これもS&Pの呼び方。ムーディーズはBaa)以上である。
「投資適格」とはすなわち、「財務的に安全性が高く、投資に適している」という意味である。
日本の長期債券(国債)は、バブル経済の頃は「トリプルA」であった。
つまり、日本という国家が発行した債券の安全度はきわめて高かった。
バブル崩壊後、景気が停滞を続ける中の発想である。
この両社がいずれもアメリカの会社であることからも分かるように、「格付け」の概念はアメリカで生まれた。
アメリカの資本主義というのは、すなわち市場主義である。
株式市場や債券市場における需要と供給にすべてを委ねようという考え方だが、そこに情報の偏りがあったとしたら、公平は期しがたい。
債券の発行体である国や企業の財務状態を調べ上げ、その健全度に従って級(つまり「格」)を付け、一般投資家の便宜を図ろうというのが、そもそもの「格付け」ムーディーズが九八年に格下げを決め、それ以来、日本国債の格付けはずるずると下がって来た。
現在では、S&Pが「AAマイナス」、ムーディーズが「A2」である。
最上位の「トリプルA」から数えると、前者は三ランク、後者は五ランクも引き下げられたことになる。
周知のように、日本の財政は大量の国債発行のため、苦しい状況にある。
何しろ、国家予算の一割程度のお金を、国債の利払いにもっていかれるのだから、正常とは言い難い。
日本の国民から見れば、日本という国家の財政が破綻するなど想像もつかないだろうが、外国の人々の見方はきびしい。
私が外資系銀行で日本の「格付け」についてコメントを書いたら、「見方が甘い」とイギリス人の同僚からクレームがつき、外貨準備高と国債発行残高の差を突きつけられ、書き直しを要求されたことがあった。
しかし、一方で日本は、世界最大の債権国であり、国民の金融資産も非常に大きい。
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